こんにちは!
『知っておきたい繊維の知識(素材編)』(ダイセン㈱)より
ご紹介していきたいと思います。
【再生繊維、反合成繊維】
1884年、フランスのシャルドンネは、プラスチック成形材の
セルロイドの原料に使われていたニトロセルロースを溶剤に
溶かし、細いノズルから押し出すことによって絹のように
美しい光沢があり、絹の風合いによく似た繊維が得られることを
見出しました。これが人類が自らの手で作り出した最初の
繊維です。
1899年に銅アンモニア人絹(キュプラ)の工業生産、1901年には
ビスコースレーヨンが工業化されました。
ニトロセルロースは化学構造が綿火薬に極めて近いので、衣服に
用いるのは危険極まりないことであり、長続きはしなかった
ようですが、その後のビスコースレーヨンやキュプラの誕生を
もたらす引き金となったことで重要な意義がありました。
ビスコースレーヨンやキュプラは、溶解する際に化学変化を
伴いますが、繊維になる際に再び元のセルロースに戻るので
再生セルロースと呼ばれています。
こうして歴史を見てみると、私たちの周りにある化学繊維の
歴史はまだ1世紀半にも満たないんですねー。