虫たちのなかにはシルク(絹)をつくる能力を持つものが
多いらしいです。
よく知られている蚕やクモをはじめ、10万種を超える虫たちが
色も太さも様々な糸を生成できるといわれているのを知ったとき
驚きました。
この虫たちがつくる糸は一般的にタンパク質でできていて
その性質の研究を進めているうちに生体への親和性や
物質透過性など、意外な機能性をもつこともわかってきた
のだそうです。
例えば、手術用の縫い糸にシルクを使うと抗体反応が起きにくい
とか、コンタクトレンズに使えば酸素を透過できる機能が役立つ
などの事例もあるらしいです。
そんななか、医薬品製造などを手がける興和(名古屋市)は
ミノムシが吐く糸を繊維として世界で初めて製品化したという
記事を見ました。
糸は蚕から取れる絹やクモの巣などの天然繊維と比べても
強度があり、弾力も強いそう。
強度が高く環境に優しい点で従来の化学繊維に取って代わる
可能性があり、近くミノムシ繊維を使ったスポーツ用品が
商品化される予定とのこと。
ミノムシの糸は量産体制の実現も見えてきているようで
産業活用も間近となっており、自動車部品などへの応用が
見込まれているそうです。
持続可能な社会の実現といわれているいま、大きな技術変化が
生まれそうですね。