20世紀メディア論の大家マーシャル・マクルーハンによると
技術やメディアは人間の身体の拡張であるといっています。
手の代わりに石斧、足の代わりに車輪(自転車・自動車)、
耳の代わりにラジオ、声帯の拡張はメガホン、目の拡張は
望遠鏡、そしてテレビが生まれることによって、人間は
自身の身体の限界を超えてその能力を拡張してきたと。
インターネットは目と耳をさらに拡張しました。それまでは
テレビは放送時間があり、店舗は営業時間がありましたが、
好きな時に世界の人々とつながり、世界のニュースがわかり、
世界の商品が買えるようになり、人間の能力を時間的・
空間的に拡張しました。
ネットは24時間可能で時間を拡張し、スマホのネット接続で
身体拡張の地点を広げ空間的に拡張しました。
また、ネット社会の最大の特徴のひつは、消費者自身が
メディアをもった点で、従来メディアは企業のものでしたが
消費者自身がブログからはじまり近年のユーチューバーなど
のように消費者も企業と同様に発言する口をもちました。
ネットメディアの獲得は単なるメガホンの拡張を超え、
時間的・空間的に世界に発信できるという口を拡張しました。
さて、私たちの人間の身体の拡張はどこまで行くのでしょうか。
いま話題のメタバース(仮想空間)は、人間のどの身体
能力を拡張するのでしょうか。
ネット社会の方向性が占われているように感じます。