脇本康裕の気になるコラム

2021年12月22日 植物由来の繊維から環境循環型の産業へ

トヨタ自動車系の部品メーカーの豊田鉄工(愛知県豊田市)は
名古屋大学と植物由来の繊維を開発すつ共同研究を始めたとの
ニュースをみました。

サトウキビの仲間の「ソルガム」から車の樹脂製品に混ぜる
ガラス繊維に代わる「セルロースナノファイバーCNF」を
取り出す研究。

ソルガムはもともとネ科の穀物サトウキビの仲間で原産地は

アフリカ。
子実を穀物として、また粉末は小麦粉の代わりになり、さまざまな
食品に加工が可能で信州では昔から米の代用でお餅にして

食べられていました。グルテンフリーであり、GABAが豊富など

栄養価も高いため、スーパーフードとして健康や美容に関心の

ある方々から注目されています。

そのソルガムを品種改良し、CNFの抽出元としてソルガム由来の

繊維を車部品に混ぜる試みは珍しいとのこと。
ソルガムは生育期間が早く温帯でも育つ利点があるのだそう。

もともとソルガムは用途が幅広く搾汁した糖液を発酵させて
エタノールを生産したりそのまま燃やして化石燃料置き換えられる
バイオマス発電に利用したり、家畜の飼料にしてりもできます。

車部品の樹脂製品は燃費向上につながるため鉄やあるみ素材
からの置き換えが広がっていますが、その際、強度のため
ガラス繊維を混ぜるのが一般的。ガラス繊維はリサイクルの

ための粉砕時に強度が大幅に弱くなる弱みがある一方、CNFは

植物由来であることに加えガラス繊維よりも軽くて強度が

同等という利点もあるそう。

ソルガムからCNFを効率よく分離し、バイオエタノールを

電力会社に販売してソルガムの再購入資源にし、耕作放棄地を

利用でき、飼料として家畜の餌にでき、排泄物を次の栽培に向けた

肥料にする。などといった環境循環型の産業が出来そうですね。

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