こんにちは!
『知っておきたい繊維の知識(素材編)』(ダイセン㈱)より
ご紹介していきたいと思います。
【抗菌防臭繊維・制菌繊維】
汗などの人体からの分泌物を、黄色ブドウ球菌など
人間の皮膚に生息している細菌が摂取して分解物を排泄し、
あるいは菌の死骸が腐敗して悪臭を発します。
抗菌防臭繊維とは、繊維上の細菌の増殖を一定レベル以下に
抑えることによってこの悪臭の発生を防止する繊維で、
制菌繊維とは、繊維上の菌の増殖そのものを抑制する繊維です
。
抗菌性を付与する方法としては、抗菌剤を繊維に練り込む方法と
布地に固着させる方法があります。
銀(または銅、亜鉛)イオンを繊維の製造工程で練り込んだものは
ナイロン、ポリエステルなど溶融紡糸系の繊維にも適用可能で
溶出する微量の金属イオンの直接作用と、金属イオンの作用で
生成する活性酸素が菌の細胞を破壊すると考えられています。
蟹の甲羅などから抽出したキチンをアルカリ処理して
転換したキトサンには抗菌性の他に吸湿性もあるので
アクリル繊維など疎水性の繊維に適用すれば、吸湿性、
制電性も付加されます。
アクリルにキトサン、あるいはキトサンとアセテートの
混合物を練り込んで繊維化したものがあり、インナー、
靴下、寝装、ベビー用品などに用いられています。