繊維のネタ帳

2022年06月25日 知っておきたい繊維の知識~素材編31

こんにちは!

『知っておきたい繊維の知識(素材編)』(ダイセン㈱)より
ご紹介していきたいと思います。

【再生繊維、反合成繊維】

1884年、フランスのシャルドンネは、プラスチック成形材の
セルロイドの原料に使われていたニトロセルロースを溶剤に
溶かし、細いノズルから押し出すことによって絹のように
美しい光沢があり、絹の風合いによく似た繊維が得られることを
見出しました。これが人類が自らの手で作り出した最初の
繊維です。

1899年に銅アンモニア人絹(キュプラ)の工業生産、1901年には
ビスコースレーヨンが工業化されました。

ニトロセルロースは化学構造が綿火薬に極めて近いので、衣服に
用いるのは危険極まりないことであり、長続きはしなかった
ようですが、その後のビスコースレーヨンやキュプラの誕生を
もたらす引き金となったことで重要な意義がありました。

ビスコースレーヨンやキュプラは、溶解する際に化学変化を
伴いますが、繊維になる際に再び元のセルロースに戻るので
再生セルロースと呼ばれています。

こうして歴史を見てみると、私たちの周りにある化学繊維の
歴史はまだ1世紀半にも満たないんですねー。

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