こんにちは!
『知っておきたい繊維の知識(素材編)』(ダイセン㈱)より
ご紹介していきたいと思います。
【制電性繊維、導電性繊維】
異種の物体を擦り合わせると摩擦熱が発生して両社の間で
電子の移動が生じ、電荷のバランスが崩れて静電気が発生
します。
天然繊維は水分を豊富に含むので、発生した電気は水中を
伝わって拡散し、空気中の水分などへ逃げていきますが
疎水性の合成繊維の場合は電気が逃げにくいため帯電が
残存し、ホコリや衣服のまとわりつきなどの障害が起きます。
『制電性繊維』は、ポリエステル、ナイロン、アクリル
などの疎水性繊維の内部に親水性のポリマーを筋状に
練り込んだ繊維で、空気中の水分を吸収し、その水分を
通じて電気を拡散させます。
インナー、裏地、コートなどで広く用いられています。
『導電性繊維』は、金属、カーボン、導電性セラミック
などの微粒子を芯鞘繊維の芯部に配合した繊維が主で、
導電性物質を通じて電子が移動し、衣服の広い表面から
空中への微小な放電によって電荷を消滅させます。
水分が関係しないので、湿度の影響を受けることは
ほとんどありません。
防塵衣や防爆作業服などとして広く使用されています。