こんにちは!
『知っておきたい繊維の知識(素材編)』(ダイセン㈱)より
ご紹介していきたいと思います。
【炭素繊維】
炭素繊維は軽くて硬く、強く、優れた寸法安定性と耐熱性、
耐化学薬品性を有し、熱や電気をよく伝えます。
PAN系とピッチ系があり、約95%はPAN系を占めています。
PAN系はアクリル長繊維を空気中200~300℃で酸化して
耐炎化したあと炭化処理し、さらに目的によって焼成して
弾性率の高い黒鉛繊維にします。
有機スーパー繊維と比べ、強度では遜色なく弾性率では
遥かに勝り、また強度が優れるのでFRP(繊維強化
プラスチック)の圧縮強度に反映されます。
航空機の構造材、ゴルフシャフト、ラケットフレーム、
パソコンの筐体などに用いられ、大型風力発電のブレード
なども新しい用途として注目されています。
ピッチ系は石油系、または石炭系のピッチを原料とし
溶解紡糸して酸化させ不融化したあと炭化処理して
作られる等方性のもの、別の方法で異方性のものがあり
等方性のものは耐熱材料、コンクリート補強などの
汎用目的、異方性のものは弾性率と熱伝導性に優れ
宇宙通信用のパラボラアンテナなどの特殊用途に
重用されています。