脇本康裕の気になるコラム

2026年08月29日 シルクを人工的に~レーヨンの誕生

生地の素材として使われる「レーヨン」
その独特の光沢感と柔らかな風合いを持ち、ブラウスやスカート、シャツなど
綺麗なドレープを活かしたアイテムに使われ、さらっとした着心地を感じやすい
素材ですよね

レーヨンは木材パルプなどに含まれる「セルロース」を原料で作られる再生
繊維で、植物由来のセルロースを一度溶解し、繊維として再生することから
「再生繊維」と呼ばれ、「人造絹糸」と呼ばれたこともあり、シルクに似た
美しい光沢をしなやかで滑らかな肌触りが大きな特徴です

レーヨンの歴史をたどると、19世紀のヨーロッパに行き着きます
「シルクを人工的につくりたい」という夢から生まれ、当時、シルクは高級
素材として非常に人気がありましたが蚕を育てて生産するため大量生産が
難しく価格も高価でした

そこで、1880年代、フランスの化学者が植物由来のセルロースから人工的に
繊維をつくる方法を開発し、1889年にパリ万博でこの「人工シルク」を
発表したともいわれています

初期のレーヨンには非常に燃えやすいという大きな問題があったのですが、
実用化に向けてさまざまな改良が行われ、繊維製造技術が発展し現在の
レーヨンにつながります

最近ではレーヨン単体だけでなく、ポリエステルやナイロン、綿などと
混紡することで素材の長所を組み合わせた生地も多く見られます

高級素材を人工的に再現するという発想は、その後の化学繊維の発展にも
大きな影響を与え、”人がつくった繊維”の先駆けともいえる存在ですね

さて、この素材の名前ですが、「Rayon(レーヨン)」という名前はフランス語の
rayon=光線・光に由来するとされます

シルクのような美しい光沢を表現した素敵な名前ですね


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